こんにちは。カメリア美容皮ふ科 院長の澤田です。
今回は、私がスキンバイブを注入する際に大切にしていることについて、少しお話ししたいと思います。
スキンバイブは、肌のうるおいやハリ、なめらかさを改善するヒアルロン酸注入治療です。
当院でもおすすめしている治療の一つですが、実は私にとって、スキンバイブは特に集中力を必要とする施術の一つです。
なぜそこまで慎重になるのか。
その理由をお伝えしたいと思います。
スキンバイブは、一般的な肌育製剤と何が違う?
最近では「肌育」という言葉が広く知られるようになり、さまざまな製剤が登場しています。
肌育製剤にはヒアルロン酸を含むものも多くありますが、その多くに使われているのは「非架橋ヒアルロン酸」です。
一方、スキンバイブに使用されているのは「架橋ヒアルロン酸」です。
架橋とは、ヒアルロン酸の分子同士を結びつけ、体内で分解されにくくする技術のことです。
これによって、スキンバイブは肌の保水性を長期間改善することが期待できます。
ただし、架橋ヒアルロン酸には、注入するうえで注意すべき点があります。
それは、誤って血管内に注入された場合、血管を詰まらせてしまうリスクがあることです。
これは「血管塞栓」と呼ばれる合併症で、皮膚への血流が妨げられると、重篤な場合には皮膚壊死などにつながる可能性があります。
スキンバイブは皮膚の比較的浅い層に注入する治療ですが、浅い場所だからといって、リスクがゼロになるわけではありません。
だからこそ、私は一つひとつの注入を慎重に行っています。
注入する「深さ」と「量」へのこだわり
スキンバイブは、皮膚の「真皮」と呼ばれる層をターゲットに注入します。
実は、この注入する深さがとても重要です。
浅すぎる場所に注入すると、ヒアルロン酸による細かな膨らみや凹凸が目立ってしまうことがあります。
一方、適切な層よりも深く注入してしまうと、本来期待している肌質改善の効果を十分に得られない可能性があります。
また、注入する深さだけでなく、1か所あたりの注入量も重要です。
スキンバイブは、少量ずつ、何か所にも分けて注入していく治療です。
そのため、針を刺すたびに適切な深さと量を意識しています。
少しの違いが仕上がりに影響することもあるため、注入中は本当に集中しています。
瞬きや呼吸を忘れてしまうくらいです(笑)
もちろん、実際にはちゃんと呼吸していますのでご安心ください。
私がアスピレーションを大切にしている理由
私がスキンバイブを注入する際に行っている確認の一つに、「アスピレーション」があります。
アスピレーションとは、製剤を注入する前に注射器の内筒を引き、血液の逆流がないかを確認する操作です。
私は、一つひとつの注入部位で、この確認を行っています。
実は以前、スキンバイブを注入する際に、アスピレーションでじわじわと血液が逆流してきたことがありました。
皮膚の浅い層での出来事でした。
血液の戻り方から、細い静脈に針が入っていた可能性があると考えています。
もちろん、その場所への注入は行いませんでした。
この経験は、私の中でも特に印象に残っています。
スキンバイブは浅い層に注入する治療ではありますが、「浅いから大丈夫」と思い込んではいけないと、改めて感じた出来事でした。
また、他院でヒアルロン酸注入後に血管塞栓が起こった症例を拝見した経験もあります。
そのため、私はリスクを常に意識しながら施術を行っています。
ただし、アスピレーションで血液が戻らなかったからといって、血管塞栓を完全に防げるわけではありません。
血管の走行、注入する深さ、針の位置、注入量や圧力など、さまざまな点に注意する必要があります。
私にとってアスピレーションは、そうした安全への配慮の一つです。

どうしてそんなに時間がかかるの?
スキンバイブは、顔全体に細かく注入していく施術です。
注入する場所を確認し、深さを考え、血管への迷入に注意しながら、少量ずつ丁寧に注入する。
それを何度も繰り返します。
正直なところ、なかなか時間のかかる作業です。
もう少し手早く進める方法もあるのかもしれません。
それでも私は、自分が必要だと考える確認を省きたくありません。
患者様が安心して施術を受けられるように、できる限りの配慮を重ねたい。
それが私の美容医療に対する考え方だからです。
どれだけ経験を重ねても、慣れによって確認がおろそかになることのないように。
一つひとつの注入に向き合いたいと思っています。
美しい仕上がりと、安全性への配慮。その両方を大切に
美容医療では、効果や仕上がりに注目が集まることが多いと思います。
もちろん、私も患者様に良い変化を感じていただけることは、とてもうれしいです。
ですが、私が同じくらい大切にしているのは、施術を受ける患者様の安全です。
どんな医療行為にもリスクがあり、慎重に行ったからといって、すべての合併症を防げるわけではありません。
だからこそ、リスクを正しく理解し、自分にできる対策を積み重ねることが大切だと考えています。
スキンバイブの注入では、細かな深さや量に気を配りながら、慎重に施術を進めています。
そのため、私のスキンバイブ注入は、少し時間がかかってしまいます(笑)
でも、その時間も含めて、患者様のお肌に真剣に向き合うために必要なものだと思っています。
「安心して任せられる」
そう思っていただけるよう、これからも一つひとつの施術を丁寧に行っていきたいと思います。
カメリア美容皮ふ科
院長 澤田 芽ぐみ